【企業版団信】を世の中に広めようと決意したストーリー

更新日:10月27日


ー そのころ彼は、毎晩寝るまえに、ある2人のことを思い出していた。

彼は、自分が情けなくて、悔しくて、やるせない気持ちでいっぱいだった。

「なんてオレは無力なんだ。人になにかを与える力なんて微塵もない。自分が生きている価値なんてあるのか、、、」

そんなことさえ思っていた。

思い出していたある2人のひとりとは、彼が銀行員時代に担当していた取引先の社長。

彼が銀行員3年目ではじめて営業に出ることになったときのこと。

それまでは、内部事務員として、淡々と仕事をこなしていた。

可もなく不可もなく、平凡なサラリーマンだった。

まだまだ半人前の彼だったが、サラリーマン3年目を迎えたある日、ついに営業担当に抜擢されたのだ。

彼は、普段あまり感情を表に出さないタイプで、一見やる気のなさそうな雰囲気もあるが、じつは内心では根っからの負けず嫌い。

そう。彼はひそかに営業という「競争の世界」を、不安になりつつも少し楽しみにしていたのだ。

ところが、そんな前向きな考えも一瞬で消え去った。

それは、この出来事がきっかけだった。

営業の先輩から、ある会社を引き継ぐことになったときのこと。

こんなことを先輩から言われた。

「この会社の社長は、すぐ怒る社長でトラブルになりやすいから注意しろよ。あまり無理に訪問したりセールスしなくていいからな。」と、そっと距離をとるように命じられた。

なぜ、そんなことをしなければいけないのかわからなかったので彼は先輩に聞いてみた。

「そんなヤバイ社長なんですか?何かあったんですか?」と。

先輩は、あまり言いたくなさそうな感じだったが、重い口を開いた。

​「この社長から融資の話をいただいたときに、オレが二つ返事で『大丈夫です!ぜひ融資させてください!』って言ったんだけど、そのあと結局断ることになっちゃって、、、。社長に謝りに行ったとき『オレの目の前で首をつって詫びろ』っていわれたほど、社長は激怒しちゃったんだ。完全にオレが悪かったんだけど、、、。」

その話を聞いて、彼は急に身体に力が入らなくなった。

営業ってよくまだわからないけど、そんなに恐ろしいものなのか?

ビビリ症の自分には、とてもじゃないけど営業は務まらないんじゃないか?

他の社長もそんな社長ばかりだったら、心がもつ気がしない、、、

みんな先輩たちは、ツラそうな顔しているし、、、

営業をはじめる前から彼は完全に心がなえていた。

ほどなくして先輩との、引継ぎの挨拶まわりも一通り終えた。

その後、彼はひとりであらためて担当する会社に挨拶しに行くことになった。

そして数日後、ついに、例のトラブル先へ行くことになった。

「こんにちは!あらためてご挨拶に伺いました。社長はいらっしゃいますか?」

彼は内心、超ビビリながらも、社長と面談することになった。

彼は、カラスに囲まれた子猫のような気分だった、、、

完全ド・アウェイの空気。

ののしられること間違いなしの予感。

緊張からか異様にトイレが近くなる、、、

もうさっさと帰りたい、、、もう逃げ出したい、、、

そんな心境だった。

しかし、彼が想像していたものとはまったく違った。

社長は笑顔で「わざわざ来てくれてありがとう。こっちに来て!」と言って、社長室にまねいてくれた。​

ただ彼は、そんな嘘っぽい笑顔にはだまされないぞ。気を抜かせておいて、あとでシバいてくる作戦だな、、、と勘ぐり、緊張を解かなかった。

そして社長室に入った。

「あぁ、、、この部屋が先輩が激怒された例の部屋か、、、」

身体をちぢこませながら、恐る恐る奥のイスに腰掛けた。

彼はド緊張しながらも、はじめて営業に出ること。出身地のことなど、簡単な自己紹介と挨拶をした。

すると、、、ついに、こわもての社長が口を開き話し始めた。。。

彼はつばを飲み込み、そして、念のため歯を食いしばり、全身に力をいれた。

そして、社長は開口いちばん、、、

「自然は好きですか?」と質問してきた。

なんでやねん!(笑)

彼はひょうし抜けしてしまった、、、ドヤされるのかと思っていたからだ。

その後も社長は、小一時間ほど昔の武勇伝や家族のこと、従業員さんの話をしてくれたのである。

なぁーんだ。とんだ見当違いだった。

社長は前回の融資のトラブルのことなど何も感じておらず、とても気さくな良い人だったのだ。

​それからというもの、彼は社長の奥さんや従業員さんとも距離がちぢまり、みなさんと少しずつ親交を深めていった。​

その後、なぜ風向きが変わったのかわからないが、社長はメイン銀行を彼の銀行へ切り替えてくれたり、会社のイベントに招待してくれるなど、とても彼を可愛がってくれた。

本当は、とっても優しい社長だった。

家族や従業員さん想いのココロあたたかい社長だった。

彼も、だんだんと社長が好きになっていった。

でも・・・

3年後に、社長が自殺してしまった。

彼がその事実を知ったときは、もう銀行を辞め、別の仕事をしていた。

まさかウソだろ、、、ヒト間違いだろ、、、と思った。

彼はとうてい信じることができなかった。

しかし会社に行っても玄関は閉鎖されているし、ニュースを見ても社長の名前がのっていた。

事実はくつがえらなかった、、、

風のウワサによると、ここ1、2年事業がうまくいってなかったと聞いた。

資金繰りが厳しかったようだった。

もし本当にそうだったとしたら、なぜ相談してもらえなかったのか?

なぜ、あれから挨拶に行かなかったのか?

何かできることは無かったのか?

そんなことを彼は毎晩考えては、、、不甲斐なさを痛感していた。

あるもう1人の方も、彼が銀行員時代に知り合った社長だった。

だが、彼が転職してからも社長との付き合いはあった。

その会社も事業があまりうまくいってなかった。

借金ばかりが増え、いっこうに出口が見えない状況。

これから会社をどう立て直そうか、そんな話を彼と社長はしていた。

そんなときに、彼は企業版団信というものに出会った。

偶然の出来事だった。

彼の転職先は、保険業界だったからだ。

ある日、保険会社の社員さんが銀行に個人向けの「団信」というものがあることを話してくれた。

そして銀行の「団信」の商品に代わるものが、じつは保険会社にもあることを教えてくれた。

彼は「もしかすると、この団信は個人だけじゃなく、法人にも使えるかもしれない、、、」と考えた。

それからというもの、来る日も来る日も、彼は法人の団信について研究した。

彼は銀行員を経験していたから、ある程度